TED和訳まとめ

TED和訳まとめ

TEDとは世界の叡智が講演をおこなう極上のカンファレンスです。

愛 - あなたは間違っている

哲学者
Yann Dall'Aglioは、現代の愛について深く考える哲学者です. Full bio

 

0:11


愛とは何か?非常に幅広いアプリケーションがある限り、定義するのは難しい用語です。私はジョギングが大好きです。私は本、映画を愛することができます。私はエスカロープを愛することができます。私は妻を愛することができます。 (笑い)


0:34


しかし、エスカロープと妻の間には大きな違いがあります。つまり、私がエスカロープを評価すると、エスカロープは、それは私を後悔させません。私の妻であるのに対し、彼女は私を彼女の人生の星と呼んでいます。 (笑い)


0:59


それゆえ、別の欲望の良心だけが、私を望ましい人物と考えることができます。私はこれを知っています。なぜなら、愛が望まれる欲望としてより正確な方法で定義できるからです。したがって、愛の永遠の問題:どのようにして望ましいものになるか?


1:21


個人は、この問題に対する答えをコミュニティルールに人生を送ることで見つけました。あなたの性別、年齢、あなたの社会的地位に応じて遊ぶべき特定の部分を持っていました。あなたは、地域社会全体の価値と愛を得るためにあなたの役割を果たすだけでした。結婚前に貞淑なままでなければならない若い女性について考えてみましょう。長男に従わなければならない最年少の息子について考えてみましょう。最長の息子は長男に従わなければなりません。


1:56


しかし、人類史上最大のアイデンティティ危機を引き起こした西部のルネッサンスを中心に13世紀に始まった現象。この現象は近代性です。基本的にはトリプルプロセスで要約することができます。第一に、技術進歩を加速させた科学研究の合理化プロセス。次に、個人の権利を育んだ政治的民主化のプロセス。最後に、経済生産と貿易自由化の合理化のプロセス。


2時42分


これらの3つの絡み合ったプロセスは、西側諸国の伝統的なベアリングを完全に全滅させた。現在、個人は自由に任意の態度、任意の選択肢、任意のオブジェクトを評価したり、評価したりすることができます。しかし、その結果、他の人たちが価値観や価値観を貶めなければならないのと同じ自由に彼ら自身が直面しています。言い換えれば、伝統的な当局に自分自身を提出することによって、私の価値は一度保証されました。今は証券取引所で引用されています。


3:32


個々の欲望の自由市場では、私は毎日自分の価値を交渉します。したがって現代人の不安。彼は私が欲しいと思っていますか?どれくらい望ましいですか?何人が私を愛してくれるのですか?そして、彼はこの不安にどのように反応しますか?さて、望ましさのシンボルをヒステリックに収集することによって。 (笑い)


4:06


私は、他人と一緒に誘惑資本を集めるこの行為を呼んでいます。実際、私たちの消費社会は主に誘惑資本に基づいています。私たちの時代は物質的であるといわれています。しかしそれは本当ではない!私たちは、他の心とコミュニケーションをとるためにオブジェクトを蓄積するだけです。私たちは彼らが私たちを愛して、それらを誘惑するようにします。ジェニファーを喜ばせたいと思っているので、新しいジーンズを買って膝で裂くティーンエイジャーよりも、物質的ではない、またはより感傷的なものはありません。 (笑い)消費主義は物質主義ではありません。それはむしろ愛の神の名で、あるいは誘惑の資本の名の下に飲み込まれ、犠牲にされるものです。


5:03


現代の愛についてのこの見解に照らして、何年にもわたって愛をどのように考えることができますか?我々は2つの仮説を想像することができる:最初のものは、自己資本主義のこの過程が激化することを賭けることである。この強化がどのような形を取るかは言うまでもありません。なぜなら、それは社会的および技術的な革新に大きく左右されます。しかし、たとえば、私の年齢、身長/体重の比率、学位、給料、クリック数に応じて変化する誘惑資本のポイントを使用して、デートするウェブサイトを想像することができます私のプロフィール。私たちはまた、付着の感情を弱める分裂のための化学的治療を想像することもできます。

 

6:11


ちなみに、既に有情教師が心配を病気として扱っているMTVのプログラムがあります。これらの教師は、自分自身を「ピックアップアーティスト」と呼びます。フランス語の "Artist"は簡単です、 "芸術家"を意味します。 「ピックアップ」とは、誰かを拾うことですが、ピックアップするだけではなく、雛を拾っています。だから彼らは雛を拾うアーティストです。 (笑い)そして、彼らは心痛を「1回限り」と呼びます。英語では、「itis」は感染を意味する接尾辞です。 One-Itisは「1人の感染」と解釈することができます。それは少し嫌です。確かに、ピックアップアーティストのために、誰かと恋に落ちることは時間の無駄です。それはあなたの誘惑資本を浪費しているので、感染のような病気のように排除する必要があります。私たちはゲノムのロマンチックな使用を想像することもできます。すべての人がそれを持ち歩き、名刺のように提示して、誘惑が再生に進むことができるかどうかを検証します。 (笑い)


7:33


もちろん、すべての激しい競争のように、誘惑のためのこのレースは、ナルシシズムの満足度に大きな不均衡を生み出します。したがって、多くの孤独と不満も生じます。したがって、誘惑資本の起源である近代そのものが疑問視されることを期待することができます。私は特に、新ファシストや宗教的なコミューンの反応を考えています。しかし、そのような未来は必ずしもそうである必要はありません。


8:09


愛について考える別の道が可能かもしれません。しかし、どのように?どのようにヒステリーの価値を否定する必要がありますか?さて、私の無駄を認識することによって。 (笑い)はい、私は役に立たないです。しかし、安心してください:あなたもそうです。 (笑い)(拍手)


8:40


私たちは皆役に立たない。この役に立たないことは簡単に実証されます。私は、私が自分の価値を持っていないことを示す、私を欲望する人が必要なので、価値があります。私には本来の価値はありません。私たちは皆、アイドルを持つふりをする。私たちは皆、誰かのためにアイドルにふりをしていますが、実際には私たちは全て詐欺師です。路上の人のように、まったく冷静で無関心な人のようです。


9:20


私は、私たち全員が懸念しているこの一般的な偽善を認識することで、私たちの愛の関係を楽にすると思います。それは私が頭からつま先まで愛されたいから、私のあらゆる選択において正当化され、誘惑ヒステリーが存在するからです。そして、私は完璧に見えて、別の人が私を愛してくれるようにしたい。私は彼らが私の価値観を安心できるように完璧にして欲しい。これは、パフォーマンスに夢中になったカップルにつながります。カップルは、ちょうどそのように、ちょっとした不満で壊れます。


9:53


この姿勢とは対照的に、私は優しさを呼びます - 愛は優しさです。優しさとは何ですか?柔らかくすることは、愛する人の弱点を受け入れることです。それは秩序の悲しいカップルになることについてではありません。 (笑い)それはかなり悪いことです。逆に、優しさには魅力と幸福がたくさんあります。私は特に不幸にも不十分なユーモアを指しています。それは意図的で厄介な詩です。


10:23


私は自己嘲笑を指す。もはや支持されず、伝統の制約によって支持されているカップルにとって、自己嘲笑は関係が耐えられる最良の手段の一つだと私は信じている。

 

 

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哲学者
Yann Dall'Aglioは、現代の愛について深く考える哲学者です. Full bio

学校は創造性を殺している? 

 ケン・ロビンソン

Ken Robinson
Author/educator
創造性の専門家ケン・ロビンソン卿は、私たちが子供たちを教育する方法に挑戦しています。 彼は私たちの学校制度の根本的な再考を支持し、創造力を養い、複数のタイプの知性を認めます. Full bio

0:11


おはようございます。気分はいかがですか?素晴らしいですね、ここは すべてが驚嘆の連続です だからそろそろ帰ろうかと思って(笑) カンファレンスを通して、これまで私たちは 3つのテーマを取り上げてきました どれも私が話したいことに関わっています 1つ目は人間の創造性について ここにいるすべての人が持っている 様々な形で表れる私たちの創造性と その幅の広さです。2つ目は 創造性は未来に一体何が起こるのかを 予測不可能にしてしまいます 次に何が起こるかなんてさっぱりわからない


0:56


私は教育に関心があります 実際誰もが教育に関心があるんです あるでしょう?私はとっても興味がある 例えばディナーパーティーの席で あなたが教育関係の仕事をしてると言ったとします まあ実のところ、教育関係で働いている人はあまりディナーパーティーに行ったりしません そんなに誘われませんよね まったく誘われない。どうしてでしょうね でも招待されて、誰かと話すとします 「お仕事は?」と聞かれ 「教育関連の仕事です」と答えると 彼らの顔から血の気が引くんです。きっと心の中で 「なんてこった!なんで私の隣に?せっかくのパーティーなのに!」なんて思ってる でもあなたが彼らの受けた教育について聞いたら 彼らは熱心に話し出すでしょう。教育というのは 深い問題ですからね。そうでしょ? 宗教やお金のことみたいに 私は教育に非常に関心があります。私たちは皆 教育に大きな関心があると思います 恐らく教育というものが私たちを予測不能な未来へと 運んで行くからでしょう 今年小学校に入学する子供たちは 2065年に定年を迎えますが、TEDに集まる あらゆる分野のエキスパートをもってしても 5年先の世界ですらわかりません それでも私たちは 未来に向かって彼らを教育していく立場にある 予測不可能であることは大きなテーマです


2:24


そして3つ目は 我々みんなが納得していること つまり子供達が持っている潜在能力 独創性です。夕べのシリーナは驚愕でしたね 彼女を見ているだけで伝わってきたでしょう? 彼女の才能は例外的なようで実はそうではない 子供はみな例外的な力を発揮できるからです 子供は自分の中に才能を発見すると没頭します 子供は誰もが 比類ない才能を持っているんです 私たちは無情にもそれを無駄にしてしまっている だから私は教育について話したい 創造性のことも話していきます 創造性は識字能力と同じくらい教育に必要です 創造力と識字力を同等に扱うべきなんです (拍手)ありがとう。私が言いたかったのはそういうことです どうもありがとう(笑)まだ15分も余っていますね 私が生まれたのは…いや、違うな


3:28


最近聞いたお気に入りの話をしましょう 絵の教室に通う6歳の少女が 教室の後ろの方で絵を描いていました 少女はそれまで何にも集中したことがなかった でもその絵の教室では違ったんです 先生は興味を惹かれて少女に 「何を描いているの?」と聞きました 彼女は「神様の絵を描いてるの」と言ったんです 「神様がどんな姿をしてるか誰も知らないのよ」と先生が言うと 少女は「もうすぐわかるわ」と答えたんです (笑)


4:03


私の息子がイギリスで4歳だった頃 正直言うと、あの頃息子はどこにいたって4歳だったんですが そう!あの年息子はどこに行っても4歳でした 息子はキリスト誕生の劇をやっていたんです どんなストーリーか覚えてますか? 壮大なストーリーでメル・ギブソンが続編をやりましたね 「キリスト誕生2」見たことあります? 息子がヨゼフ役をやるというので興奮しました ヨゼフは重要な役の1つだと思っていましたから 会場を「ジェームス・ロビンソンこそヨゼフだ!」と書いた Tシャツを着た友人でいっぱいにしました 息子にセリフはなかったんですが 3人の賢者が金とフランキンセンス(乳香)とミルラ(没薬)を 持ってくる場面はわかりますよね これは本当に起こったことなんですよ 恐らく順番通りやらなかったんだと思います 後で息子に「あれでよかったの?」 と訊いたら「何か間違ってた?」って言うんです だから多分順番を入れ替えたんだと思います とにかくその劇で 頭にタオルをのせた4歳の男の子たちは 贈り物の箱を置いて、最初の少年が 「私は金を贈ります」と言い 2番目の子は「私はミルラを贈ります」と言い 3番目の子が「フランク セント ディス」って言ったんです!


5:22


子供たちはいちかばちかやってみるんですね 何も知らなくても子供はただやってみます そうでしょ?間違えることを怖がらない 間違えを犯すことと創造的であることは 同じではありませんが 間違えることを恐れていたら 決して独創的なものなど思いつかない 間違えることを許されずに育った 子供は本来の才能を失ってしまう 間違えることを恐れるんです 会社はこうやって経営されてますね 過ちを犯すことを非難する 私たちが作った国家教育システムでは 失敗は最悪だと教えます 教育が人間本来の創造性を殺してしまっている ピカソはかつてこう言いました 「子供はみな生まれながらのアーティストだ」 問題は成長しながらどうやってアーティストたり続けるか 我々は創造性を育てるどころか見失い 創造性の欠落した教育を受けている 一体どうしてなのでしょうか?


6:21


私は5年前までストラットフォードオンエーボンに住んでいました ストラットフォードからロサンジェルスに引っ越したんです どんなにスムーズな変化だったか想像できますよね! ちゃんと言うと スニッターフィールドという所に住んでいました ストラットフォードの郊外で シェークスピア父親の出生地です。驚きませんか? シェークスピア父親がいたなんて考えたことなかったでしょ? あります? シェークスピアも子供だったなんて 7歳のシェークスピアなんて考えてもみなかった でも彼にも7歳の頃があって 誰かの英語の授業を受けてたんです。なんてうっとおしいんでしょう! 「もっと努力しなさい」 「寝なさい!今すぐです!」ってシェークスピアに言うんですよ ウィリアム・シェークスピアに言うんです「鉛筆を置きなさい!」 「そんな話し方するんじゃありません。みんな混乱するんですから」 (笑)


7:34


まあとにかく、私たちはストラットフォードからロスに引っ越しました 実はこのことで言いたいことがあります 息子はロスは好きでしたが引っ越しはイヤだった 私の子供は息子が21、娘が16になります イギリスにいるサラという恋人が彼のすべて だから息子はロスに来たくなかったんです 知り合って1ヶ月でした でもすでに4回目の記念日を迎えていました 16歳には時間がたっぷりありますからね 息子は不機嫌極まりなく 「サラみたいな子は他にいない!」と言っていました でも私たちはそれを聞いて喜んでいました イギリスを離れた1番の理由がサラだったんですから (笑)


8:24


世界中を渡り歩いていると 1つ驚愕することがあります 地球上どこの教育制度も科目の優劣がある すべてです。どこに行こうと大差ない 他の制度があるだろうって思うでしょ?でも、ない みんな同じ。数学と語学がトップで 次が人文系。一番評価されてないのは芸術系 地球上どっこにいっても! そして大概どの教育制度でも 芸術科目の中でまた順位があります 美術と音楽は演劇やダンスより上です 数学みたいにダンスを毎日教える 教育制度はありません どうしてでしょうか? 私はダンスは非常に重要だと考えています 数学もダンスも同じくらい大事です 子供というのは1日中でも踊っています。みんなそうです 私たちはみんな体を持ってますよね。あれ、ミーティングに行きそびれたかな? 私たちは子供が成長するにつれて 腰から上へとだんだんと教育し 最後は頭にフォーカスする それも脳の片側だけ


9:21


もしエイリアンが教育現場にやってきたら 「公教育って何のためにあるの?」と不思議に思うでしょう 現在の教育がもたらす結果を見たら 誰が本当に恩恵を受けて 誰がやる事をやっていて 誰が一番おいしいところを持っていく勝者か考えたら 公教育の目的は 世界中において 大学教授を生み出すことだと言わざるを得ないでしょう 彼らが世の中のトップにいる 私も昔そうだった。すごいでしょ 大学教授は好きですから。でもね、みなさん 大学教授だけが人間の最高峰ではないんです 大学教授は単に1つの生き方に過ぎない 彼らはとても好奇心旺盛ですけどね 大学教授に対する愛情から言ってるんですよ 教授というのはとっても興味深い生き物だ 大概、教授というのは頭の中で生きてる それも頭の片方に偏ってる 言葉通り、なんだか現実離れしてる人たちです 彼らは自分たちの体を 頭を運ぶための乗り物としか見ていませんよね? 体は教授を会議に連れてくための乗り物です もし本当の幽体離脱体験の証拠が欲しければ 教授の重鎮が集まるような 数日間の学会に行ってみるといい 最終日の夜にはディスコに行って ビートなんか無視してめちゃくちゃに体をくねらせながら 「早く家に帰って今夜のことを論文に書こう」 なんて考えてるいい年した男女を見れますから


10:58


今の教育制度は学者を育てるために作られています そこには理由があるんです 制度全体が作り上げられた19世紀以前に 世界中どこにも公教育なんてなく 教育制度は産業主義社会のニーズから 生まれました 科目の優劣は2つのことから決められました 1つは働くために有用な科目が最優先ということ 私たちが小学生の頃習ったことや好きなこと 砂場遊びとか仕事に使えないことは おそらく敬遠されたでしょう 砂遊びでは会社で雇ってもらえませんから 音楽なんてダメだ!音楽家になるわけじゃないんだから アートなんてするな。アーティストになんてならないんだから 心優しいアドバイス。でもまったくもって間違っています 世界は今、変革の時にある 2つ目は学力。学校の成績だけが いまや知性だと思われている 大学側のイメージだけで教育制度を作ったからです 世界中に広がる今の学校教育が 大学に入るために敷かれた 長い道のりなんです その結果、無数の天才的で創造性溢れる 人たちが「自分は才能がない」と感じています 学校は彼らの才能を評価しないどころか ダメだと烙印を押してしまうから しかし、そんなことをしている余裕はない


12:07


これから30年間、ユネスコによると 歴史始まって以来の多くの人間が世界中で こういった教育を受けて社会に出て行くんです 今よりもっと大勢の人がです。それと 今まで話し合ってきたこと全部の組み合わせです テクノロジーとその進歩が労働環境や 人口の増大に大きな影響を与えます 突然、大学の学位がまるで意味をなさなくなった 私が学生の頃は大学を卒業していれば仕事が見つかりました 仕事がない人っていうのは自らそれを選んだ人でした 正直、私は仕事なんてしたくなかった でも現在、大学を卒業した子供達は ビデオゲームをするために家へ帰るんです 今や学士ではなく修士、時には博士号が 必要になってきたからです 大学教育のインフレが起こっているんです 根底から教育制度が変わりつつあります 抜本的に知性の意味を考え直す 必要がある


12:55


知性について3つのことがわかっています 1つは多様であること。我々はこの世界を あらゆる視点から捉えます。視覚的だったり 聴覚からであったり、感触からであったり 抽象的な捉え方もしますし、動きながらだったり 次に、知性とはダイナミックです 人間の脳の働きを考えてみましょう 昨日のプレゼンテーションからわかったように 知性とは素晴らしくインタラクティブです 脳はいくつもの部分に区切られているわけではありません 創造性とは、独創的で価値あるアイディアを 構築するプロセスのことだと思います 創造力は様々な分野や価値観の 相互作用によって生まれます


13:32


ところで、脳には 右脳と左脳に繋がる複数の神経を束ねる軸があります 脳梁と呼ばれる部分で女性の方が太いんです 昨日のヘレンの話もそうでしたが 女性の方がマルチタスクなのはこのせいかもしれないですね ここにいる女性方もそうでしょ? 多くの研究結果がありますが個人的な経験からもわかります もし妻が家で食事の支度をしていたら 実際そんなにやってくれないんですけどね、ありがたいことに 妻は他に得意なことがありますから! でもまあ、料理をしていたとしましょう 彼女は同時に電話で誰かと話したりします 子供と話したり、天井の色を塗り替えたり 心臓を開けて手術をしたりね 私が料理をする時はドアを閉め、子供たちはどこかに行き 電話などしません。妻が途中で入って来たらイラっとします 「テリー、卵を焼こうとしてるんだからちょっと放っておいてくれよ」って言います みなさんも古い哲学の問いを知ってるでしょう 「森で1本の木が倒れ、誰もその音を聞かなかったら」 「それは本当に起こったことなのか?」 最近面白いTシャツを見ました「男が森の中で」 「好き放題言うのを聞いていた女性はいなかった」 「彼はそれでも間違ってるのか?」って書いてあったんです


14:51


3つ目に知性とは比類ないものです 今『エピファニー』という新しい本を執筆中です いかに人間は自分の才能とめぐり会うか その過程について色々な人に インタビューしました この本を書くきっかけを与えてくれたのは 恐らく皆さんが知らないある女性です ジリアン・リンといいます 何人か知っているみたいですね。彼女は振り付け師です 彼女の作品は誰もが知っています 「キャッツ」や「オペラ座の怪人」です 彼女は素晴らしい。私は昔、英国ロイヤルバレーの役員でした 見ればわかるでしょ! ジリアンとランチをした時尋ねたんです 「どうやってダンサーになったの?」 彼女の答えは興味深かった。ジリアンは小学生の頃 まったくもって絶望的でした。1930年代のことです 学校は彼女の両親に ジリアンには学習障害があると伝えたんです 集中力がなくいつもそわそわしていた 今だったらADHDと言われているんでしょうが1930年代は ADHDなんて概念はありませんでしたから そう判断することはできなかったですよね 当時の人はADHDなんて知る由もなかった


15:50


とにかくジリアンは専門家に相談に行きました 重厚な壁に囲まれた部屋で 部屋の隅にある椅子に座るよう言われ 20分も何もせずに座っている横で 専門家は母親に向かって ジリアンの学校での問題について話していたそうです ジリアンはいつも遅れて宿題を出したり 他の生徒の学習に支障をきたすと 最終的に医者がジリアンの所に来て言いました 「ジリアン」 「君のお母さんの話をいろいろ聞いて」 「お母さんと2人で少しお話がしたいんだ」 「少しここで待ってて」 ジリアンを1人残し 医者と母親は部屋を出て行きました その際に医者はラジオのスイッチを入れました そして部屋の外で母親に 「ここでジリアンを見ていて下さい」と伝えました するとジリアンは元気そうに、音楽に合わせて動き始めました 母親と医者はそんなジリアンを見守りました そして医者は母親に言ったんです 「お母さん、ジリアンは病気なんかじゃありません。ダンサーですよ」 「ダンススクールに通わせてあげなさい」


16:50


私はその後を尋ねると 「行かせてくれたわ。どんなに楽しかったか言葉じゃ表せない!」 「ダンススクールには私みたいな子ばかりいた」 「みんなじっとしてられないの」 「考えるのにまず体を使わなくちゃいけない」 彼女はバレーやタップやジャズダンスを習いました モダンやコンテンポラリーダンスもやりました ジリアンはやがてロイヤルバレー学校の オーディションに受かってソリストになり 見事なキャリアを築きました それからロイヤルバレーを卒業して ジリアン・リン・ダンスカンパニーを設立しました その後アンドリュー・ロイド・ウィーバーと出会い ジリアンは歴史上もっとも偉大なミュージカルを手がけます 何百万人もの人に感動と喜びを与え 経済的にも大成功しました あの医者じゃなければ彼女を薬漬けにして おとなしくするように言っていたかもしれません


17:38


さて、私はこんなことを考えています アル・ゴアレイチェル・カーソンに感銘を受けて エコロジーと革命についての話をしましたね 私は、我々の未来への唯一の希望は 人類生態学という新しい概念を取り入れることだと思います 人類生態学とは、人間は豊かな可能性を持っているという 新しい考え方を築き上げる学問です これまでの教育は、地表を削いで石炭を直接取り出すように 私たちから特定の物だけを発掘してきました でも将来それはもう役立ちません 私たちは次世代の人間を教育するための 根本的な理念を再考しなければならない ジョナス・サークの素晴らしい引用があります 「仮にすべての昆虫が地球から消え去ったら」 「その後50年の間にあらゆる生きものが消滅するだろう」 「もし地球上から人類が消え去ったら」 「50年後にはあらゆる生命が豊かに栄えるだろう」 その通りだと思います


18:32


TEDが称賛するのは人間の持つイマジネーションという宝物です いかにこの天賦を賢く活用するか考えなくてはなりません 想定されたシナリオを回避するために 私たちに残された唯一の方法は 人間の限りない創造性が 私たちの生を豊かにすることを知り 子供たちが未来の希望であると認識することです 子供をあるがままに育てなくてはいけません 私たちが未来を見ることはないかもしれませんが 子供は未来を生きていくのです。私たちの役割は 子供たちが未来を創る支えとなることです。どうもありがとう

 

 

 

 

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Author/educator
創造性の専門家ケン・ロビンソン卿は、私たちが子供たちを教育する方法に挑戦しています。 彼は私たちの学校制度の根本的な再考を支持し、創造力を養い、複数のタイプの知性を認めます. Full bio
 

 

あなたはとてつもなく創造的な天才なのよ

 エリザベス・ギルバート

Elizabeth Gilbert
Writer
「食べて、祈り、愛」の作者であるエリザベス・ギルバートは、いくつかの大きな話題について長い間懸命に考えてきました。 彼女の魅力:天才、創造性、両者ともに私たちが自分のやり方でどのように取り入れるか. Full bio

 

0:11


私は作家ですが― 書くことは 仕事以上のものです ずっと 情熱を注いできたし― 今後もそれは 変わりません と言いつつ 最近変わった体験をしました 公私にわたって… 仕事への姿勢を 考え直すことになりました 最近 回顧録を書き上げました 題名は― "食べ祈り愛する(Eat, Pray, Love)" 明らかに 今までの作品と違います どういうわけか 各国語に翻訳され― 話題を呼び 世界的ベストセラーになりました その結果として 今ではどこでも― 運が尽きたヒト扱いされます 本当に "もう終り" なんです みんな 心配顔でこう言います "あれを越えられなかったらと 不安では?" "不安にはならない? " "一生書き続けようと―" "注目される本が書けないって" "もう 二度と"


1:18


まあ 勇気づけられますこと もっとヒドい経験もあります 20年以上前 10代の頃 言ったのです 作家になりたい と 人々は今と同じ 不安顔でした "成功しなかったら?" "拒否される屈辱に耐えられる?" "一生 書き続けて―" "何も完成しなくて―" "口は 失敗の苦汁に満たされ―" "破れた夢の山なす残骸の上で のたれ死んでも?" (会場 笑) そんな感じでした


1:53


これらの答えは 端的には"イエス" です もちろん不安です 常に不安です 怖いものは山ほどあります 他人が分らないものも… 海藻など ゾッとします でも執筆に関しては― 最近 ずっと考え続けています 理にかなってるか と 天職だと思うことを― 恐れるのが当然と みなされるのが? クリエイティブの世界が 他と違うのは― 精神を気遣われる ということ 他の職業では あまりないでしょう? 父は 化学技術者でした 私の記憶では 40年勤めた間に― 仕事が不安か と訊いた人はいません "最近 化学技術スランプは大丈夫?" ありえないでしょう? もっとも 化学技術者のほうは― 何世紀も 風評とは無縁です "躁うつの飲んだくれ" という風評とは… (会場 笑)


3:06


作家には つきものです いえ 全クリエイティブ業界で… 精神不安定で 知られているし― 無残な死者の数を見ても 明らかです 20世紀だけで 偉大な創作者たちが― どれだけ 早世し自殺しているか 実際の自殺でなく― 自分の才能に殺された人もいます ノーマン メイラーは生前 言いました "作品が ジワジワと私を殺す" ライフワークに対し 尋常ではない考え方ですが― 誰も驚かないでしょう 長年 聞き慣れた話ですから 当然のことと 捉えられています 創造に苦悩はつきものであり― 芸術性は 必ず最終的に苦痛をもたらすと…


4:04


今日の提起は ここです これで いいと思います? 変だと思いません? よく考えてみても…? 私には 引っかかります 忌まわしいし― 危険な発想でしょう 次世紀に残してほしくない むしろ生き続けるよう 励ますべきでは?


4:28


自分の状況から見ても 分かります あの暗い前提を 受け入れるのは― 危険でしょう ことに私の― 今の状況を 考えるなら… つまり… この通り― まだ若く 40そこそこ 仕事も あと40年続けるかもしれない 今から先 書き上げるものは間違いなく― この前出版した本と 比較されるんです 信じられないぐらい売れたあの本と… ここだけの話 率直に言うと― 今後 代表作を書ける見込みは低いんです ああ なんてこと! こんな風に考えて 人は― 朝9時からジンを飲むようになるんです それは ごめんです (会場 笑) 好きな仕事を続けたい


5:25


そこで考えます "どうやって?" 振り返って じっくり考えました 書き続けるために なすべきことは― 心理的に守れるものを作ることだろう と 安全な距離を 保てるようになること 作家としての私と 未来の作品の評価を― 心配する私の間に… 昨年中 手本を探し続けました 歴史も さかのぼり― 様々な社会も 探りました より良く まっとうな見解はないかと 創作者を助け 創作につきものの― 精神的リスクを管理できないか…


6:09


古代ギリシャとローマにありました ついて来て下さい じき戻りますから 古代のギリシャとローマでは― 信じられていませんでした 人間に創造性が備わっているとは… 創造性は 人に付き添う精霊で― 遠く未知のところから来たのです 人間の理解を超えた動機から… 古代ギリシャ人は 精霊を"ダイモン"と呼びました ソクラテスは ダイモンがついていると信じていた 遠くから叡智を語ってきたと… ローマ人も同様でしたが― 肉体のない創造の霊を"ジーニアス" と呼びました 彼らは "ジーニアス(天才)" を― 能力の秀でた個人とは 考えなかった あの精霊のことだと 考えていました アトリエの壁の中に生き― ハリーポッターの妖精ドビーのように… 創作活動をこっそり手伝い― 作品を形作るんです


7:16


素晴らしい! 先ほど話した"距離"が存在します 作品の評価から 心理的に守られるものが… そういうものだと 人々は信じていました 古代のアーティストは 守られていたのです たとえば 過剰な自惚れから どんなに立派な作品でも 自分だけの功績ではない 霊が助けたと 知られていたからです 失敗しても 自分だけのせいじゃない "ジーニアス" が ダメだったんです この考えは 長らく西洋に浸透していましたが―


7:51


ルネッサンスが全てを変えました とてつもない考えが現れた 世界の中心に 人間を置こうではないかと 全ての神と神秘の上に… 神の言葉を伝える謎の生き物は 消えた… 合理的人文主義の 誕生です 人々も信じ始めました 創造性は 個人の内から現れるのだと 史上初めて― 芸術家が "ジーニアス" と呼ばれるようになりました "ジーニアス" が側にいるのではない


8:21


これは大きな間違いですよ たった一人の人間を― 男でも女でも 一人の人を― 神聖で創造的な謎の― 本質で源だと 信じさせるなんて 繊細な人間の心には 少し重荷では? 太陽を飲めと 言うようなものです 歪んだエゴでしょう それが 作品への過剰な期待を作り― その期待へのプレッシャーが― 過去500年 芸術家たちを殺してきたんです


8:58


もしこれが事実なら― 事実だと思いますが― 問題は 今後です 他に道は ないでしょうか? 創造性の謎と 上手に付き合うには― 昔の考え方に ならえばいい? 恐らく無理でしょう 500年に及ぶ 合理的人文思想を消すのは… 18分のスピーチでは ね 恐らく この会場にも― 科学的な正当性を 疑う人がいるでしょう 妖精というアイデアに… 彼らが 作品に甘い蜜をかけるなんて? 深入りは しませんが―


9:41


提起したいのは ここです "いいじゃない?" "何がいけない?" と 今まで聞いたどの話より 納得いきます 創作過程の 意味不明な気まぐれが― 説明できます 何か創ろうとした人なら分かる― つまり皆さん ご存知のあの― 非合理な過程です ときに超常現象とさえ感じられる…


10:10


最近 非凡な詩人 ルース ストーンに会いました 90を超えても現役の詩人です 彼女はバージニアの田舎で育ち― 畑仕事をしていた時に― 詩の到来を 感じたそうです 大地の彼方から やってくるのを… ものすごい一群の風のようなものが― 大地を越えて突進してくるのを― 地面の振動を感じて 察したそうです なすべきことは ただ一つ "がむしゃらに走る" こと がむしゃらに家へ走り― 詩に追われながら― 素早く 紙と鉛筆を手に取り― 詩が 身体を通り抜ける時に― つかまえ 書き留める 間に合わない時もありました 走って走って… 間に合わず― 身体から素早く 抜けてしまった 彼女によると "恐らくそのまま― 次の詩人を探しに行った" と 別の機会には― これは秀逸ですが― 逃がしそうな時が ありました 必死で走り 紙を探し― 詩が身体を通り― 抜けようとした瞬間 鉛筆をつかみ― もう一方の手を伸ばし― 捕まえたそうです 詩の 尻尾をつかみ― 身体の中に 尻尾の方から取り込み― 書き写していったんです 詩は完璧に出来ましたが― 全て 逆さまでした (会場 笑)


11:44


それを聞いて思ったんです "まさか"と 私のやり方とソックリだったので (会場 笑)


11:55


身体を通る部分じゃないですよ! 私は頑固なので 仕事は― 毎朝 同じ時間に起き― 苦心してコツコツ書いています そんな私でも― 出合う瞬間があります 皆さんも経験あるでしょう アイデアが降りてくるんです どこからともなく これは一体? 取り乱さずに どう対処しましょう? 正気を保ちながら?


12:28


対処法の現代における お手本は― ミュージシャンの トム ウェイツです 数年前 雑誌の取材で会い― この話をしました 彼の人生は 典型的な― 苦悩する現代アーティストでした 扱いにくい創作の衝動を― 制しようと苦心していました 内面の衝動を…


12:52


歳をとり 穏やかになり― ある日 L.A.のフリーウェイを走っていて― 全てが変わりました 飛ばしていたら 突然― 頭に 曲の断片が聴こえてきた とらえ難くもどかしい 閃きとして… たまりません 素晴らしくて― 待ち望んだ瞬間なのに― 紙も鉛筆もないんです テープレコーダーもない


13:16


いつもの焦燥に 駆られました "これを逃して―" "一生悩まされる" "俺はダメだ 無理だ" 慌てる代わりに 止めました 思考回路を止め― 斬新な行動に出ました 空を見上げ― "なあ 運転してるのが分からないのか?" (会場 笑) "今 曲が書けるとでも?" "書いてもらいたきゃ 出直して来いよ" "面倒見てやれる時に" "でなけりゃ 他所をあたってくれ" "レナード コーエンにでも"


13:55


以降 作曲の姿勢が変わったそうです 作風は変わりないですが― 作曲の姿勢と それに伴う不安は― "ジーニアス"を出したら 消えたのです 問題の元を 本来の場所に返し― 葛藤しなくても良いと 気付きました 奇妙で一風変わった 共同作業です 彼と 変わった外部のモノとの対話… 別モノとの対話です


14:25


この話を聞いて 私も少し― 仕事の姿勢を変え 助かったんです あのベストセラーを執筆中― 絶望に陥ったとき― 頑張っても 上手く行かず― 悲惨な結末を考え始めました 最悪になるわ と 悪いどころか史上最悪! 葬ろうかと思い始めた時に― トムの話を思い出し― やってみました 原稿から顔を上げ― 部屋の片隅に話しかけたんです "ちょっと" と声に出して "仮に この本がイマイチでも―" "私一人の責任じゃないわよね?" "全力投球なのは分かるでしょ?" "これ以上は無理" "良くしたければ 役目を果たして" "その気がないなら いいわよ" "私は自分の役目を果たすだけ" "しっかり書いておいてね" "私は やることやったって" (会場 笑)


15:31


だって― (会場 拍手) ご覧の通りじゃないですか? 昔 北アフリカの砂漠では― 月夜に 踊りと歌の祭典がありました 明け方まで何時間も 見事なものです プロの踊り手は― 素晴らしいです たまに ごくまれに― 踊り手が 一線を越えることがある 何の話か お分かりですよね そんな場面に出合ったことありません? まるで時が止まり― 踊り手が ある境界を抜ける… いつもの踊りと 変わらないはずなのに― すべてが符合し― 突然 人間には見えなくなる 内から足元から輝き― 神々しく燃え上がるんです


16:25


当時の人々は そんな時― 何が起きたか察し その名を呼びます 両手を合わせて 唱え始めます "アラー アラー 神よ 神よ" "あれは神だ" と 歴史の本によると― ムーア人は南スペイン侵攻時 その慣習も持ち込みました 長年かけて発音も変わり― "アラー アラー" から "オレー オレー" へ… 今でも闘牛とフラメンコで耳にします スペインでは 演者の驚異的な動きに― "アラー オレー" "すごい! ブラボー!" 神を垣間見るんです 素晴らしい まさにこれです


17:09


ただし厄介なのは 翌朝です 踊り手が目覚めると― 火曜の朝11時で もう神はいません 膝の悪い老いた人間が一人… 恐らく あの高みに再び上ることも― 回転しても 神の名を呼ぶ人もない… 残りの人生は? つらいことです 最も辛い現実です 創造的な人生上で… いえ そこまで酷くないかも… もし初めから 非凡な才能が自分に― 備わっていたと 信じなければ… その力が借り物だと 思い― 謎の源から 人生に添えられ― 終えたら 他へ行くものと思えば… そう考えれば 全て変わります


18:06


私も そう考え始め― この数ヶ月 考え続けてきました もうすぐ出る本を 書いている間に… 危険なほど期待された最新作― 異常な成功の 次の作品です


18:20


自分に言い聞かせ続けました のまれそうになった時に― 恐れない ひるまない やることをやるだけ 結果を気にせず 続けよ と 踊るのが仕事なら 踊るだけ 気まぐれな精霊が 割り当てられ― あなたの努力に対し 一瞬でも奇跡を― 見せてくれたら… "オレー!" 見せてくれずとも踊るだけ それでも 自分に"オレー" と そう信じますし 広めませんか それでも"オレー" と 真の人間愛と 不屈の精神を― 持ち続けることに対し…


19:02


有難うございました (会場 拍手) ありがとう (会場 拍手)


19:10


"オレー!" (会場 拍手)

 

 

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Writer
「食べて、祈り、愛」の作者であるエリザベス・ギルバートは、いくつかの大きな話題について長い間懸命に考えてきました。 彼女の魅力:天才、創造性、両者ともに私たちが自分のやり方でどのように取り入れるか. Full bio
 

 

 

 

幸福への秘訣 「フロー」

Positive psychologist
Mihaly Csikszentmihalyiは、幸福、創造性、人間的な達成、「フロー」という概念の理解に先駆けて貢献してきました。芸術、遊び、仕事などの活動への集中. Full bio
 

 

0:11


私はヨーロッパで育ち第二次世界大戦のとき 7歳から10歳でした 私の知っていた大人でこの戦争による悲劇を 耐えることのできた人はわずかでした 戦争で仕事や家などの拠り所を失ってしまって 平穏無事に 満ち足りて幸せな生活すら 維持できない人が多いことを目の当たりにしていました そこで何が人生を生きるに価するものとするか ということに興味を持つようになりました ティーンエイジャーの若者ながら哲学書を読み 芸術と信仰や多くのことに関わって この問いの答えを探し求めました そんな中 心理学との偶然の出会いがありました


1:31


私はスイスのスキーリゾートに居ましたが 遊ぶお金はありませんでした 雪も融けてしまったのに 映画を見に行くお金も持っていなかったのですが — チューリッヒの街中で 講演会をするという新聞記事を見ました 空飛ぶ円盤について話すということでした 私は まぁ映画にも行けないのだから 無料なら空飛ぶ円盤の話を聞いてみようかと考えました その晩講演した男はとても興味深い人でした 小さな緑の宇宙人の話の代わりに 彼は ヨーロッパ人の精神がいかに 戦争で傷ついたかを述べました 空飛ぶ円盤を空に見出すことで 古代ヒンズー教曼荼羅にあたるものを 空に映し出すことで それは戦争後の混乱の中から 何かの秩序を取り戻そうという試みだと 語りました 私はこれをとても面白いと思いました この講演を聞いてから 彼の本を読み始めました カールユングがその人でしたが それまでは名前も成果も知らなかったのでした


3:09


やがて私はアメリカに渡って心理学を学ぶことになりました そうして幸せの根本は何かを理解しようという試みに着手しました このグラフは 多くの人が説明してきたものです 多くのバリエーションがあります この 1956 年にアメリカで行われた調査では 30%の人が 人生が非常に幸せだと答えています その数字はそこから全く変化しません 個人の収入は インフレを考慮した尺度で見ると この期間に2倍以上 ほぼ3倍にに向上しましたが それでも幸せについては同じ結果になっています 貧困線よりも数千ドル多い程度の ある基準を超えてしまえば 物質的な充足は人の幸福とは関係しないようです 基本的な物資 物的な財産が不足すると 不幸に結びつきますが 逆に物的な財産が増えても 幸福は増大しません


4:29


以上のように実際の自分の経験に即した物事を見出だしたことを踏まえて 私の研究はもっと焦点を絞り 日々の暮らしの中 通常の経験の中のいったいどこで 我々は本当に幸福を感じるのか ということを調べています 40年前にこの研究を始めるにあたり 創造的な人たちに注目しました 芸術家や科学者などが 何をもってその人生を費やすに値すると考えるのか 彼らの多くはそのことから名声も富も期待できなくても それでも人生に意味と取り組む価値を与える それは何か


5:29


この人は70年代のアメリカ音楽の著名な作曲家の一人です インタビューは40ページにも渡りますが この短い抜粋には 彼がインタビューで言っていた内容が よくまとまっています 作曲が上手く行っているときに彼がどう感じるか説明してあります 彼はそのことを忘我の状態と表現しています


5:55


ギリシャ語の忘我(エクスタシー)は 何かの横に立つという意味です その状態になると日常の決まった作業をしているとは感じられないような 精神状態を表すたとえとして使われるようになりました 忘我とは本質的には 異なる世界の現実に足を踏み入れることです それは興味深いことです 考えてみれば 時代の頂点となった人類の偉業について 中国であれギリシャであれヒンズー文明であれ マヤ文明 エジプト これらの文明について知られていることは 彼らの忘我の世界についてであり 日常生活についてありません 我々は 彼らの建てた寺院について知っています 寺院とは 日常とは別の現実を経験するために訪れるところです 円形競技場をご存知でしょう アリーナや劇場 これらは古代文明の名残ともいえるものです 人々は濃密で秩序立てた人生を味わうために訪れます


7:13


この作曲家はそんな場所に行く必要はありません この場所 ここのアリーナもまた ギリシャの円形劇場のように忘我の状態のための場所です 毎日慣れ親しんだ人生とは異なる 別の現実に皆さんは参加しておられます しかしこの作曲家はそこに行く必要はありません 小さな楽譜を書き込むための紙だけが必要なのです 作曲をしていると これまで存在したことのない音の組み合わせを 想像することができるというのです そこで — ジェニファーが即興演奏したときのように — 新しい現実を作り出す状況に到達すること これが忘我のひとときです 彼は別の現実に入り込むのです 彼は言います これは非常に強烈な経験で あたかも自分は存在しないかのように感じます 誇張した絵空事のように聞こえるかもしれません ところが実際 ヒトの神経系は毎秒 110 ビット以上の情報を 処理することはできません 私の話を聞いてそれを理解するには およそ毎秒60ビットを処理しなければなりません それだから三人以上の話を聞く事はできず 三人以上の人が話しかけても理解できないのです


8:44


さてあなたがこの完全に没頭してしまうプロセスの中にあり この人と同様に何か新しいものを作っているとしたら 体の感覚や 家庭での問題を気にする分の 注意力は残っていません 空腹や疲れさえも感じません 彼の意識からは体も 自分が誰かということも消えてしまいます なぜかというと 集中して取り組むべき何かを うまくやり遂げながら 同時に自分の存在を感じるほどの 注意力は残っていないのです だれでもそうなります そこでは人の存在はしばらく忘れられています 彼は自分の手が勝手に動いているようだと言います でも 私は作曲ができないので 自分の手を2週間見続けたとしても 畏怖も驚きも感じることはないでしょう


9:54


そのことは何を意味するのか インタビューのほかの部分にも記された 自動的 自発的な過程は よく訓練されて技術を身につけた 人にだけ起きるのです そして創造性の研究の中でこんなことが明らかになっています 10年間 特定分野の技術的知識に深く関わることがなければ 何か創造的になるなどという事はありません 数学でも音楽であっても 先行するものよりも どこかに優位性のある物を作り出せるようになるには それだけの時間はかかります さてその状態が生じると 音楽が自然に湧き出てくると彼は言います 私がインタビューを始めたときにお願いした人たちは全て — インタビューは30年ほど前のものですが — 実に多くの人がこんな状態を自発的な流れと説明します そこで私はこの種の経験をフロー体験と呼ぶことにしました これは様々な領域で生じます


11:12


たとえば詩人はこんな風に表現します この調査は私の生徒が行ったもので 米国の主要な作家や詩人の中から何人かにインタビューをしました 同じように この忘我の状態に入ると 無理なく自然な感覚に到達するというのです 詩人はドアを開けると空中に浮かび上がっていくような感じ と説明します これはアルバート アインシュタインが 相対性の力がどう働くかを理解しようと苦労していたときに どうやって着想を得たかという説明とよく似ています でも他の活動においても生じるものなのです これは別の生徒 オーストラリア出身の スーザンジャクソンが 世界の有力なスポーツ選手を研究しました オリンピックのスケート選手の描写です 選手の内面の状態について 同じことを描写しています あなた自身が音楽と一体になるようなことが 自然に起きるとは思われないかもしれません


12:20


また いちばん最近に書いた本「グッドビジネス」の中で 私は何人かのCEOたちにインタビューをしました これらの人々は同業者たちから非常に優秀で 倫理に優れ 社会責任を担っているとして推薦された人たちです この方たちにとって成功とは自分の仕事の中で 他の人を助けながら同時に 自分も幸せになることと定義されているのがわかりました そしてこれらの成功して責任ある CEO の人たちが言うように その中から一部分だけに成功するということはないのです 有意義で成功する仕事を望んでいるのであれば — アニタ ロディックもまたインタビューを受けたCEOのひとりです 化粧品 中でも自然派化粧品の雄である ボディ ショップの創始者です 彼女の情熱は仕事中にベストを尽くして フローの状態に至っていることから得られるものです


13:21


これは ソニーの創始者である井深 大の味わい深い一言です 彼はそのときソニーを始めたばかりでお金もなく 製品もなく —製品がなかったのです 何もない状態でしたが アイデアがありました 彼のアイデアというのは エンジニアが技術革新の喜びを感じられて 社会に対する使命を意識して心ゆくまで仕事に打ち込める 仕事場を作り上げるというものでした 「フロー」が職場でどう実現されるのか これ以上よい例を思いつきません


13:56


我々の研究ではこれまでに すでに世界中の研究者たちと8000回以上の — ドミニカの僧侶や盲目の修道女 ヒマラヤの登山家 ナバホの羊飼いにも — インタビューを行いました 彼らはみな自分の仕事を楽しんでいます そして文化によらず 教育にもよらず 人がフローに入るときの条件として 7つの条件があると考えています このポイントが十分強まると忘我の感覚 明晰な感覚に到達するのです それは 時間の経過と共に常に自分が何をしたいのか分かっていて ただちにフィードバックが得られること 何をする必要があるか分かっていて それが難しくても 可能なことで 時間の感覚が消失すること 自分自身のことを忘れてしまうこと 自分はもっと大きな何かの一部であると感じること これらの条件が満たされるなら あなたがしていることはそれ自体で価値のあることになります


15:02


我々の研究では この簡単な図で人々の毎日の生活を記述できます そして実際にとても正確にこれを測れるのです 参加者に1日十回鳴るポケットベルを配布して それが鳴るたびに 何をしているか どんな気分か どこにいるか 何を考えているかを記録してもらいます 2 つのことを計測します それはその瞬間に経験していることの挑戦の度合いと その瞬間に適用している技術が どの程度のものかということです それぞれの人について平均をとって この図の中心点にします その人の平均的なチャレンジとスキルのレベルで 他の人のものとは違っているはずです ともかく こうして選ばれた平均値を図の中心にします


15:50


中心点のレベルがわかっていれば かなり正確に どんなときにフロー状態に入るか予想できるようになります つまりチャレンジが平均よりも困難で スキルも平均以上のものが求められているときです あなたは他の人とは非常に異なるやり方で仕事をしているかもしれませんが このフローの入り口は誰にもあり 自分の本当に望むことを行っているときには そこに存在しています ピアノを弾くことや最高の友達との時間 もし仕事があなたにフローをもたらしてくれるものなのなら 仕事の時間にも さて他の領域は次第に好ましくなくなります


16:28


覚醒の領域では困難に挑んでいるのでこれはよいものです あなたの技術は求められるものほど高くないのですが 技術をもう少し高めることで かなり容易にフローに入ることができます 覚醒の領域からはほとんどの人が学べるでしょう ここは彼らが快適な範囲外に押し出されており フローの領域に戻ろうとして 人はもっと高度な 技術を身に着けます 制御の領域も良いところです ここでも人は快適です ただあまり刺激はありません チャレンジというにはあまりに容易なのです 制御からフローに入りたければ チャレンジの度合いを高めなければなりません これらの2つは望ましく そしてお互いに補い合う領域で フローへとたやすく移動できます


17:20


その他のチャレンジとスキルの組み合わせに移ると 次第に望ましいものでなくなります 弛緩も悪くない 気分はよいです 退屈は避けたいものです 無気力は非常に否定的です 何かをしようという気がなくなります スキルを使わず チャレンジもしません 不幸なことに多くの人の経験はこの無気力の領域にあります テレビの視聴がこの経験に寄与するところは大で その次はトイレで座っているとき 時にはテレビを見ているときでもその7-8%の時間は フローに入っているかもしれません それは本当に見たい番組のときです そこから得るものがあるときです


18:17


答えるべき質問は —もう時間ですね— 毎日の生活の中で どうすればより多くの時間をフローの状態にできるか これを理解しようと私たちも努力しているのです 皆さんの中にはアドバイスがなくても 自分でやり方を分かっている方もいるでしょう しかし不幸なことに多くの人は分かっていません それに対して我々の研究がひとつのやり方になるのです


18:47


ありがとうございました


18:48


(拍手)

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Positive psychologist
Mihaly Csikszentmihalyiは、幸福、創造性、人間的な達成、「フロー」という概念の理解に先駆けて貢献してきました。芸術、遊び、仕事などの活動への集中. Full bio
 

 

何がいい人生ですか? 幸福に関する最長の研究からの教訓

ロバート・ウォーディンガー(Robert Waldinger)は、歴史的に最も包括的な縦断研究の1つである、アダルト・ディベロップメントのハーバード・スタディのディレクターです. Full bio
 
 

 

0:11


一生を通して私たちを 健康で幸福にしてくれるのは 何でしょう? 最高の未来の自分に 投資するなら 自分の時間とエネルギーを 何に使いますか? 新世紀世代を最近調査し 最も大切な人生の目的は 何かと訊ねました 80%以上の答えは 主な人生の目的は 富を蓄える事で その同じ若者の50%の もう1つの大きな目的は 有名になる事でした


0:49


(笑)


0:51


働き 更なる努力をし もっと成果を出すようにと 常に求められている世の中です 良い人生を送る為には そうする必要があると 誰もが思わされています 自分の全人生を— 自分の選択がどう人生を 描いて行くかを予測するなんて 殆ど不可能です 人の人生に関しての凡そは その人の過去を 思い出してもらう事で分かりますが ご存知のように それは あまり頼りにはなりません 過去に起きた内の 膨大な量は忘れ去られ 時には完全に創作された 記憶さえあります


1:35


では ある人の全人生が 展開されるのを 観察しながら 記録できないものでしょうか 人々を10代の頃から老年まで追い 幸福と健康の持続に 本当に何が必要なのか 探索しようと始めたのが 我々の研究です


1:56


ハーバード成人発達研究は 史上最も長期に渡って 成人を追跡した研究です 75年間724人の男性を追跡し 休むことなく 仕事や家庭生活 健康などを記録しました 勿論 その期間中 我々は 彼らの人生がどう展開するかは 知る由もありませんでした


2:24


この様な研究は非常に稀です こんな計画は10年もしない内に 頓挫してしまいます あまりに多くの人が途中で プロジェクトを降りてしまう 研究の資金が不足して来る 研究者達が他の事で忙しくなったり 亡くなってしまう などが原因で 進行が止まってしまうからです 我々の場合は運が良かった事もあり 数世代の研究者達の 根気強さのお陰で この研究は生き残りました 元の724人の内の約60人が 未だ健在で 今も研究に参加しています その殆どが90歳代です 新しく研究に 2千人以上の彼らの子供達にも 参加してもらっています 私は4代目の研究責任者です


3:14


1938年以来 男性の2グループを 追跡しています 1番目のグループは研究が始まった時 ハーバード大学の2年生で 第2次世界大戦中に大学を卒業し 殆どが戦争に行きました 2番目のグループには ボストンの極貧環境で 育った少年達が この研究の為に選ばれました 1930年代のボストンで 最も問題の多い貧困家庭出身の 人達だからという理由からです 水道設備もないような安アパートに 彼らの殆どが住んでいました


3:53


研究が始まるとすぐ 10代の彼らをインタビューし 健康診断を受けさせました 我々は彼らの家に行き ご両親達もインタビューしました その少年達が今大人になり 様々な人生を歩んでいます 工場労働者や弁護士 レンガ職人や医師になったり 1人はアメリカの大統領になりました 中にはアル中になった人や 統合失調症になった人もいます この様に社会の底辺から這い上がり ずっと上まで登り詰めた人もいる一方 それとは反対の方向に人生を 辿って行った人もいるのです


4:34


この研究の創始者達は 思いもしなかった事でしょう 75年後 今日ここに私が立って 研究は未だに続いている事を こうして話しているなんて 1年おきに我々の仕事熱心な 忍耐強い研究スタッフが 参加者に電話をし 彼らの生活に関しての 質問表を送っても良いかと訊ねると


4:59


ボストンスラム街の 男性の多くはこう問い返します 「なぜ俺を研究し続けたいんだ? 俺の生活は面白くもないだろう」 ハーバード群からは 決して出ない質問です


5:10


(笑)


5:19


彼らの生活をしっかり把握する為 質問表を送るだけが 仕事ではありません 参加者の居間でインタビューしたり 彼らの医者から 医療記録も手に入れます 血液検査をし脳画像を撮り 子供達からも話を聞き 彼らが妻と最も気がかりな事に関して 話し合っている所を撮影します 約10年前 参加者の妻達にも 研究参加をとお願いすると 彼女等の多くは こう言いました 「そう言ってくれるのを待ってたわ」と


5:49


(笑)


5:50


これから分かった事は 彼らの人生から得た 何万ページにもなる情報から 分かった事は何でしょう? それは富でも名声でも 無我夢中で働く事でもなく 75年に渡る研究から はっきりと分かった事は 私たちを健康に幸福にするのは 良い人間関係に尽きるという事です これから人間関係に関して 3つの大きな教訓がありました


6:25


第一に周りとの繫がりは 健康に本当に良いという事 孤独は命取りで 家族 友達 コミュニティと よく繋がっている人程 幸せで 身体的に健康で 繫がりの少ない人より 長生きするという事が 分かりました 孤独は害となるという 研究結果が出たのです 孤立化を甘んじて受け 生活している人は あまり幸せに感じていないのです 中年になり健康の衰えは早く 脳機能の減退も早期に始まり 孤独でない人より 寿命は短くなります 悲しい現実ですが これから先 いつでも アメリカ人の2割以上は 孤独だと回答するでしょう しかし 群衆の中や 結婚生活の中でも


7:20


孤独を感じることはあります つまり ここで重大な事は 友人の数だけが ものをいうのではなく 生涯を共にする相手の 有無でもないのです 重要なのは 身近な人達との関係の質なのです 争いの真っただ中で暮らすのは 健康に悪い事が分かっています 例えば愛情が薄い 喧嘩の多い結婚は 健康に悪影響を及ぼし 恐らく離婚より悪いでしょう 愛情のある 良い関係は 人を保護します


7:56


我々は参加者全員を追跡し 彼らが80代になった時 中年の彼らを振り返り 誰が健康で幸せな80代になったか 予測してみたかったのです 彼らが50才の頃に得た 彼らのデータを全て 集めてみると 中年のコレステロール値等とは 関連性はなく どの様な老年を迎えるかは 当時の人間関係の満足度で 予測される事が分かりました 50才で最も幸せな人間関係にいた人が 80才になっても一番健康だったのです 親密な良い関係が クッションとなり 加齢過程での様々な問題を 和らげてくれてるようです 中でも特にパートナー共に 幸福だと感じていた人達は 80代になり 身体的苦痛があっても 精神的に幸福だという 報告が出ています しかし不幸な関係にある人達は 身体的苦痛がある日には 精神的苦痛でその身体的苦痛が 更に増幅されていました


9:03


人間関係と健康に関して 分かった3つ目の大きな事は 良い関係は身体の健康だけでなく 脳をも守ってくれるという事です 堅固な良い関係をしっかりと 80代にまで持ち続ける人は その関係に守られています そういう関係にいる人— 何かあった時 本当に頼れる人がいる と感じている人の記憶は はっきりしています 一方 パートナーには 全く頼れない と感じている人には 記憶障害が早期に現れ始めます 良い人間関係といっても 波風がない訳ではありません ある80代のカップルは 明けても暮れても小言を 言い合っている かも知れませんが お互い頼り合える と感じている限り 彼らが苦難に遭遇した時 口論しても後々まで残る という事はありませんでした


10:00


この教え— 親密で良い関係は 包括的に 私たちに益となっているという教えは 今に分かった事ではありませんね 何故そんな関係は築き難く 無視され易いのでしょう 誰もそうですが 私たちは手っ取り早く 手に入れられる 生活を快適に維持してくれるものが 大好きです 人間関係は複雑に込み入っています 家族や友達との関係をうまく 維持して行くのは至難の業です その地道な努力は地味で その上その仕事は 死ぬまで続きます 75年間に渡る研究で 定年退職後 一番幸福な人は 仕事仲間に代わる新しい仲間を 自ら進んで作った人達です 最近の調査での 新世紀世代のように この研究の参加者の多くは 彼らが青年期に入った時 名声や富や業績が 良い生活をするには 必要なものだと 本当に信じていましたが 75年もの間 我々の研究で 繰り返し繰り返し示されたのは 最も幸せに過ごして来た人は 人間関係に頼った人々だという事した それは家族 友達や コミュニティだったり様々です


11:20


あなたはどうですか? 今 あなたが25才 40才 60才なら あなたが人間関係に頼るとは どういう事なのかでしょうか?


11:30


あなたに出来る事は 実際 無限にあります テレビやPCの前の時間を 人と過ごす時間に充てる 新鮮さを失った関係を活気づける為 何か新しい事をパートナーとする 長い散歩とかデートなどです また何年も話していない家族に 連絡を取るのも1つの方法です よくある家族の いざこざは 遺恨を抱く人々に ひどい悪影響を及ぼすからです


12:03


最後にマーク・トウェインの言葉を 引用して終わります 一世紀以上むかし 彼は人生を振り返り こう書きました 「かくも短い人生に 諍い 謝罪し 傷心し 責任を追及している時間などない 愛し合う為の時間しかない それが例え一瞬にすぎなくとも」


12:33


良い人生は良い人間関係で築かれます


12:38


ありがとうございました


12:39


(拍手)

 

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ロバート・ウォーディンガー(Robert Waldinger)は、歴史的に最も包括的な縦断研究の1つである、アダルト・ディベロップメントのハーバード・スタディのディレクターです. Full bio

ポジティブ心理学の新しい時代

 マーティン・セリグマン

Martin Seligman
Psychologist
マーティン・セリグマンはポジティブ心理学の創始者であり、幸福、人格の強さ、楽観主義などの健全な状態を調べる研究の分野です. Full bio

 

0:11

私がアメリカ心理学会の会長だった時に テレビで話すことになりました このエピソードはこれからお話しすることを端的に表しています オプティミスト (楽観主義者) となるべき 11 番目の理由についての CNNの番組でした ディスカバー誌の編集長が10番目まで話し 私が11番目を説明することになっていました

0:35

CNNのスタッフが来て私に訊きました 「セリグマン教授 心理学の現状についてお話いただけますでしょうか? インタビューします」私は答えます「喜んで」 スタッフが言いました 「でもCNNですから 数秒間で話していただきます」 「どれくらい喋れますか?」 「1語ですね」

0:57

(笑)

0:58

撮影が始まりました 「セリグマン教授 心理学の現状はいかがでしょうか?」 「グッド」

1:08

(笑)

1:10

「カット カット それではわかりませんね それではもう少し長くしましょう」 「では 今度はどれくらい喋れますか?」「ええと 2語ですかね セリグマン教授 心理学の現状はいかがでしょうか?」 「ノット グッド」

1:29

(笑)

1:38

「あの セリグマン教授 どうもこれではやりづらいようですので もう少しちゃんとした長さの時間を割り当てます 次は3語 喋って結構です セリグマン教授 心理学の現状はいかがでしょうか?」 「ノット グッド イナフ(十分に良いとは言えません)」それがここでお話ししたいことです

1:59

心理学が良かったのはなぜか 良くなかったのはなぜか そして次の10年間にどのようにもっと良くなるか 並行してテクノロジーとエンターテインメントとデザインについても 同じことをお話しします どれも問題はすごく似ているからです

2:16

今の心理学の良いところは何でしょうか? 60年以上にわたり 心理学は病理モデルを基本としてきました 10年前 飛行機に乗ったとき 隣の席の人に自己紹介をして どういう仕事をしているのか話したら みんな私から距離を置きがちになっていました 心理学は人の問題を見つける 狂ってる人を特定するものだ と彼らは思っていたのでしょう しかし今 私が何をしているのか話すと誰もが乗り出して興味を持ちます

2:44

これまでの心理学にも良かった点はあります 300億ドルの投資がされた国立精神衛生研究所により また病理モデルに基づいた研究により これまでの典型的な心理学ができるようになったことがあります 60年前にはどのような疾患も手当てできませんでした 単なるまやかしに過ぎませんでした 今では14もの疾患を手当てできて そのうちの2つは実際に治せます

3:06

それに加えて精神疾患についての 科学的手法も発展しました うつやアルコール中毒などの曖昧な事例に対して 精密な検査ができることに気づきました 精神疾患の分類も作ることができましたし その因果関係を理解することもできました 例えば 遺伝的に統合失調症になりやすい人を 長い期間観察し続けることで 育児と遺伝の寄与を調べたり 精神疾患を扱った実験をして 関係ない要因を分離することができました

3:50

とりわけ 過去50年の間に 薬物治療や心理学的治療を開発して 無作為割り付け盲検法で 厳密に検証して 効果のない治療は止め 有効な治療だけを残すことができました

4:09

過去60年の心理学と精神医学の結論として言えるのは 苦しんでいる人の苦しみを和らげることができると確かに主張できることです これはすごいことです 誇りに思います しかしこれらの結果として3つ良くないことが発生しました

4:34

1つ目は行動規範についてです 心理学者と精神科医被害者学者や病気を探す人になってしまい 困難は外的なもので どうにもできないのだと捉えてしまいました 人が選択と決定をすることを忘れ 責任ということを忘れたわけです

4:52

2つ目の代償は普通の人々について考えなくなってしまったことです 普通の人生をさらに良くすることを忘れてしまいました あまり困っていない人々をより幸せで より充実して より生産的にすることを忘れ 天賦の才や才能などは禁句になってしまいました 誰もそれを扱っていません

5:14

そして病理モデルの第3の問題は 困難にある人々に対して何かをしようという衝動 回復のために何かをしようという衝動です 私たちがそういう姿勢だったので 人々をより幸せにするポジティブな介入は発展しませんでした

5:33

これらが良くなかった点です これが エトコフやギルバートやチクセントミハイや私が ポジティブ心理学と呼ばれる分野の研究をするようになった理由です ポジティブ心理学には3つの目標があります まず心理学は短所と同じように長所にも 関心を向けるべきであるということ 傷を回復することと同じように 長所を伸ばすことにも関心を向けるべきです 人生で最も素晴らしいことに対して そして普通の人々の人生をより充実させることと 天賦の才や高い才能の養育にも関心を持つべきです

6:15

こうして この10年の間に 人生の生きがいについての科学である ポジティブ心理学が幕を開けました 今後もさらに続いていくことでしょう 異なった種類の幸せを測定できることが発見されました どなたでもこのウェブサイトにアクセスして 幸せのテストを一通り受けることができます あなたが どうやってポジティブな感情や意味 フローに達するのか 文字通り数万人と比較することができます 精神障害とは正反対の診断表を作りました 強みと長所の分類表です 性別ごとの割合 どのようにその項目が定義されているか どのように診断するか 何がそれを伸ばし 何がそれを阻害するか がわかります ポジティブな状態が起こる原因— 脳の左半球と右半球の活動がどのように幸せに影響するのか 解き明かせると気づきました

7:19

大変苦しんでいる人々を相手に仕事をしてきて この苦しんでいる人たちと普通の人たちとは何が違うのか 疑問に思いました 6年前からは非常に幸せな人々に対して 彼らは他の人々と何が違うのだろうか?と問いかけ始めました そうしてある理由が判明しました 彼らは特に信仰心が強いわけでもなく 体型が良いわけでもなく お金がたくさんあるわけでも 見た目が良いわけでも 良い出来事が多いわけでも 悪い出来事が少ないわけでもありませんでした 違うことはただ1つです 彼らはものすごく社交的です 土曜の朝にセミナーに出席したりしません (笑) 1人で時間を過ごすことはありません 良い恋愛関係を持っていて いろんなタイプの友人がいます

8:05

ただ注意してください これは単に相関があるだけで原因を示しているのではないです また私がお話しするのはハリウッド映画みたいな分かりやすい幸せです はしゃいだり 笑ったり 歓声を上げたりするような幸せのことです そういった幸せだけでは十分でないと 今から示します ブッダからトニー ロビンズまでの何世紀にもわたる 介入手法を検討することから始めました 人々を幸せにするという 介入手法は 120 ほども示されています そのうちの多くはマニュアル化ができましたし 無作為割り付けをして効果や有効性を 検証できました つまり「どれが本当に人を永続的に幸せにするのか?」 これからその結果をご紹介します

8:53

この話の要点は精神疾患の治療という使命と 苦しんでいる人の苦しみを和らげるという使命に加えて 私が心理学に持って欲しいと願う使命であり 「心理学は本当に人々を幸せにすることができるのか」ということです そのことを問うためには、私があまり使わない言葉である 「幸せ」を 分解して議論できる形にしなければなりません 3 つの異なった幸せがあると考えています 区別する理由は 3 つは異なったレシピで形成され この中で特定の1つの幸せを目ざせるからです 1つ目の幸せな生き方は快楽の人生です これは可能な限り多くのポジティブ感情を持ち それを強めて人生を過ごすことです 2つ目は夢中を追求する人生です あなたの仕事 子育て 愛 余暇活動のために時間が止まります これはアリストテレスが言っていたことです 3つ目は意味のある人生です これらの3つの生き方のそれぞれについて わかっていることをお話します

10:01

1つ目の快楽の人生は 単純に快楽を手に入れるように最善を尽くす生き方です できる限り多くの快楽と できる限り多くのポジティブ感情を持って 味わったり意識を充実させるなど それらをより強くする技術を習得して 快楽と感情を時間と空間を越えたものにする人生です しかし快楽の人生には3つの欠点があります ポジティブ心理学が幸福学ではなく 講演がここで終わらない理由がそこにあります

10:30

快楽の人生の欠点の1つは ポジティブ感情は遺伝性であるということです 50パーセント程度が遺伝的で たいして変えることができません 人生の中でポジティブ感情を増やすことについて マシューや私やその他の何人かが知っている異なったやり方は 15から20 パーセントほど 多めにポジティブ感情を獲得することに役立つでしょう 2つ目は ポジティブ感情には慣れが生じることです 実に急速に慣れてしまいます 私はフレンチバニラアイスクリームが好きです 最初の味は100パーセントです しかし6口目を食べるときにはそうではない そして申し上げたように 引き伸ばすことはとても難しい

11:18

ここで2つ目の幸せな生き方が出てきます なぜポジティブ心理学がポジティブ感情と 喜びを積み上げることに留まらないのかを説明するために レンのことを話しましょう 30歳の頃には人生の3つのステージのうちの2つで レンはとても成功していました 最初のステージは仕事です 20歳になる頃にはオプション取引をしていました 25歳の時には億万長者になっていて オプション取引会社の社長になっていました 第2のステージは遊びです 彼はブリッジの国内チャンピオンでした しかし第3のステージである恋愛については レンは底知れぬ失敗者でした レンは無感情そのものだったからです (笑)

12:09

レンは内向的でした アメリカの女性がレンとデートした時に言いました あなたって全く楽しくなくて ポジティブな気持ちも持ってない さっさとどこかへ行って レンはとても裕福だったのでパーク・アべニューの精神分析家のところへ診察に行き 精神分析家は5年かけてレンの中にポジティブ感情を閉じ込めた 性的トラウマを見つけようとしました しかし性的トラウマは全くありませんでした わかったことは レンはロングアイランドで育ち フットボールで遊び フットボールを観戦し ブリッジをしていたことだけです レンはポジティブ感情の軸で並べたら下位 5パーセントに入ります

12:53

レンは不幸なのでしょうか?私は違うと思います ポジティブ情動性の下位50パーセントの人間について 心理学が説明することとは裏腹に レンは私が知っている最も幸福な人のうちの1人でしょう 彼は不幸に捕らわれたりしません また みなさんと同じように非常にうまくフローを活用できます 朝9時30分にレンがアメリカ証券取引所に入ると 彼の時間は止まります それは終了の合図まで続きます 最初のカードが切られると 10日後にトーナメントが終わるまでレンの時間は止まります

13:30

これはまさしくミハイ チクセントミハイがフローについて話していたことで またフローと快楽の違いは非常に重要です 快楽にはその場で起こっているという生の感じが伴います 思考と感覚があります しかしミハイが昨日話したように フローが起こっている間には何も感じません 音楽と一体になり 時間が止まるというわけです 強烈な集中状態です これは確かに良い人生の特徴です そして最も高い強みを知るという 良い人生を作るためのレシピがあります 繰り返しとなりますが あなたの最も高い— 5つの強みを知るための有効なテストがあります その長所をできるだけ活かせるように人生を修正しましょう 仕事も愛情関係も 趣味も友人関係も子育ても

14:26

一例として食品スーパーのレジ係の話をしましょう 彼女は自分の仕事を嫌っていました 大学に通う間ずっと働いていました 一番の強みは社会的知性だったので その日で一番の社会的体験をお客さんに提供できるように 仕事のやり方を変えようとしました そううまくいくものではありません しかし彼女は一番の強みを見つけ 仕事でそれを最大限に活用するようにしました 常にニコニコしていればいい というわけではありません デビー レイノルズみたいにならなくていいんです そんなに笑ったりしないでしょう 大事なのはもっと没頭することだったのです これが2つ目の方法です 1つ目の方法はポジティブ感情 2つ目の方法はエウダイモニア(幸福)のフロー状態

15:13

3つ目は意味です これは伝統的にも 幸せの中で最も尊敬されるものです 前の項目 エウダイモニアと並行して 自分より大きな何かに捧げるために 自分の最も高い強みを知ること それを使うことから成り立ちます

15:38

快楽の人生 充実の人生 意味のある人生の3つの生き方を紹介しましたが ここで誰もが気になってくるでしょう 永続的にこれらの生き方をするための方法があるのだろうか? その答えはイエスと思われます 例をお話ししましょう これらは厳密な方法で 本当に効き目がある薬を検証するのと同じ方法で確かめられてきました 異なった介入に対して 無作為割り付け盲検法の 長期研究を私たちは行っています 効果があると判った介入をいくつか示します 快楽の人生について教えるときに 人生の快楽を増やすための習得課題として 集中する技術や満喫する技術を身につけさせます 素晴らしい一日を作り上げることを宿題にします 次の土曜日には いつも気にしていることは脇に置いて良い一日を過ごしてください 満喫して精神を充実させて快楽を高めてください そうすることで快楽の人生の質は高められていきます

16:49

感謝の訪問について話しましょう 皆さんもイメージしてください 目を閉じて あなたの人生を良い方向に変えた非常に重要なことをしてくれた にもかかわらずこれまでにちゃんと感謝を伝えられなかった 誰かを思い浮かべてください 今も生きている人に限ります よろしいでしょうか では 目を開けてください ぴったりな人が見つかったかと思います 感謝の訪問をする時にあなたがすることは その人に300語の感謝状を書いて フェニックスに電話をかけて なぜかは言わずに訪ねてよいか聞きます 訪ねていって 感謝状を読んでください 誰もがこの時に涙を流します 1週間後 1ヶ月後 3ヶ月後にテストしてみると より幸せであり また うつ状態にもなりにくくなっています

17:51

他の例として強みのデートがあります カップルのそれぞれに一番の強みをテストで調べて 2人の強みを活かせる一晩を計画してもらいます これはお互いの関係の強化につながります 楽しみと慈善活動の対比について 慈善活動に打ち込む人が多く集うこのような場に 加われたことは実に元気づけられることです さて 私の学生も共同研究者もこれを解明できていなかったので 実際に人々に利他的なことや楽しいことをしてもらって その2つを比較しています わかったことは 楽しいことをした時にはその気持ちは 方形波みたいにしばらくしたら元通りになります 他人を助ける慈善的なことをすると その効用は長く長く持続します これらはポジティブな介入の例です

18:41

最後の1つ前に話したいことは 人々がどれほどの満足を一生の中で得られるかについてです これが本当に大切なことで これこそが目標とする変数です 3つの異なった生き方の関数として 人生でどれほどの満足が得られるのかを問いかけました 15通りの条件を数千人の人々を対象にして検証しました 快楽とポジティブ感情を 追求する快楽の人生— 時間が停止する 夢中の体験を追求する人生— 意味の追求の人生—それぞれがどのように人生の満足に影響しているのか?

19:18

結果は驚くべきもので 予想とは反対でした 快楽の追求は人生の満足にほとんど関係がありませんでした 意味の追求が最も強力なものでした 夢中の追求にも強い関係がありました 快楽は夢中になることと意味を持ってこそ役に立ち そのとき 喜びはホイップクリームやチェリーのように彩りを添えます つまり3つが全てそろった生き方は 3つの総和よりも大きく 逆に3つのどの生き方もない空っぽの人生は それぞれの生き方よりも小さなものになってしまう

19:55

そして現在追究している疑問は 身体の健康 病的状態 寿命 生産性は 先ほどの話と同じ関係なのかということです つまり 会社においては 生産性はポジティブ感情と夢中になることと意味に関係があるのか? 健康は夢中になること 快楽 人生の意味に関係があるのか? どちらの答えも「関係あり」と考える理由があります

20:27

クリスによると最後の講演者は全ての講演を総括する機会がもらえるそうです それを聞いた時は驚きました これほど多様な人が集まる講演会に出たことはないですから こんなにも自分の可能性を広げる講演者を見たのは初めてで 実に素晴らしいことです しかし心理学の問題はテクノロジーとエンターテインメントとデザインの問題に 似ていることに気づきました テクノロジーとエンターテインメントとデザインは破壊的な目的のために 扱われてきていて これからもそうかも知れません それと同時にこれらは 苦難や不幸を取り除くためにも使うことができます ところで苦難や不幸を取り除くことと 幸せを築くことの区別は非常に大切です 私が30年前に初めてセラピストになった時には 患者を落ち込ませず 心配をなくし 怒りを和らげれば 幸せにできると思っていました でもそうなったことはありません できたことは人をゼロに持ってくることでした しかし彼らは空っぽのままでした

21:41

そうして幸せになる技術 快楽の人生を生きる技術 夢中の人生を生きる技術 意味の人生を生きる技術は 苦難と不幸を取り除く技術とは違っていることに気づきました 同じことがテクノロジー エンターテインメント デザインにも 当てはまると考えています つまり世界の推進力であるこれら3つは 幸せとポジティブ感情を増やすことが可能で 一般的にもそのように使われてきました しかし私が話したように幸せを分解してみると ポジティブ感情だけでは不十分で 人生の中にはフローと意味も欠かせないことがわかるでしょう ローラリーが話したように デザインに加えて エンターテインメントとテクノロジーは 人生の中に意味のある夢中を増やすことができます

22:34

まとめます オプティミストになるべき 11 番目の理由とは 宇宙エレベータに加えて テクノロジーとエンターテイメントとデザインによって 私たちはこの星に生きる人類の幸せの 総量を実際に増やすことが可能なことです テクノロジーが次の10年 20年に快楽の人生と 充実の人生と意味のある人生を増やすことができたら非常に素晴らしいです エンターテインメントがポジティブ感情と 意味とエウダイモニアを増やすことに転用できたら非常に素晴らしいです デザインがポジティブ感情 エウダイモニアとフロー そして意味を増やせたら— 私たちが1つになれたら非常に素晴らしいです ありがとうございます (拍手)

 

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経験と記憶の謎

 ダニエル・カーネマン

Daniel Kahneman
Behavioral economics founder
Daniel Kahnemanは、世界で最も影響力のある生きた心理学者として広く認識されており、行動経済学における彼の先駆的研究でノーベル経済学賞を受賞しました。. Full bio

 

 

 

0:11

最近 幸福について話す人が多いですね 過去5年に出版され タイトルに“幸福”が 入っている本を ある人に数えてもらったところ あまりの量で 40冊ほどで諦めてしまいました 研究者たちの幸福に対する興味の高まりは かなりのものです 幸福のコーチングもたくさん行われ 皆に幸福になってもらいたいことがわかります しかし そのような努力があるにも関わらず 幸福について 明瞭に考えることを ほぼ不可能にしてしまう認知の罠が 幾つかあります

0:45

今日は この認知の罠を取り上げます これは自らの幸福を願う一般の人にも 幸福を追究する学者にも当てはまります なぜなら 誰もが混乱した状態にいるからです 罠の一つは 複雑さを認めることへの抵抗感にあります 幸福という言葉は もはや役立つ言葉ではない― という事が明らかになりました この言葉を様々な事に あてはめすぎるからです この言葉には 特定の意味合いがありますが 概して 狭い意味に 限定することは諦めて 幸福な状態とは何か もっと複雑な見方を しなくてはいけないのです 二つめの罠は 体験と記憶を混同してしまうことです 生活の中で見いだす幸福と 自分の人生の幸福度合い この違いです この二つは非常に異なる概念ですが どちらも幸福という一つの観念にまとめられがちです 三つめは錯覚に焦点を置くこと 幸福の状態を左右する状況を ゆがめて考えてしまうのは 残念なことです これは まさに認知の罠です 正確に理解する方法が無いのです

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例を出してみましょう 私の講義の後におこなった質疑応答で ある方がこんな話をしました 彼は交響曲を聴いていて その音楽に聞き惚れていたところ その曲の終わりに 耳をつんざく音が入っていました 彼はかなり感情的に 曲が台無しになった と言いました でも 台無しになったのは 曲ではなく その経験の記憶です 彼は素晴らしい曲を 20分聴いていたのに その価値がなくなったのは 台無しになった記憶が 残ったからです 彼に残ったのは記憶しかありません この話から 我々が

2:45

自らを二つの自己として 考えているらしいとわかります 経験の自己― これは 現在を生き 現在を経験し 過去にも戻れる自己です でも基本的には現在しかありません 例えば 医師が “ここを触ったら痛みますか?” と 尋ねる相手は 経験の自己です そして 記憶の自己というのがあります 記憶の自己とは 記録を残し 人生の物語を紡ぎます 医師が尋ねる質問を 例に出すと “最近の調子はどうですか?” “旅行はいかがでしたか?” なんて質問です この二つは まったく異なるもので “経験の自己”と“記憶の自己”を 混同してしまうのは 幸福の観念に見られる 混乱なのです 記憶の自己は

3:45

語り手です 我々の記憶の基本的な反応で すぐに動き出します 話をするとき 我々が単純に語っているのではなく 記憶が物語るのです 要は経験から 引き継がれたものが 話になるのです その一例を挙げてみます 昔行われた研究で 大腸内視鏡検査を受けた実際の患者から得たデータです この検査は今となっては痛みを伴いませんが 研究が行われた90年代には痛みを伴う検査でした 患者は60秒ごとに 痛みの度合いを報告するように言われ これは二人の患者と 彼らの痛みを記録したものです この二人のうち より苦しんだのは どちらかと聞かれたら 明らかに それは患者Bですね 彼の検査時間のほうが長く 患者Aが毎分感じた痛み以上に 患者Bは痛みを感じました さて 別の質問をします

4:47

患者自身に どれだけ苦しんだと思うかと尋ねると 驚くことに 患者Bよりも 患者Aのほうが より嫌な記憶として 覚えていたのです 二人の検査の話は異なっていました なぜなら その話の一番重要な部分は 検査の終わり方なのです どちらの話も 心を打たれるような内容ではありませんが 一方は もう片方よりも 明らかに悲惨なものなのです より嫌な記憶として語られた方は まさに終わるときに痛みがピークを迎えていました 本当に悲惨なものです 対象となった患者には 検査後と かなり時間が経ってから インタビューしました 検査全体の印象を評価してもらうと 患者Bよりも 患者Aが より大変だったと答えました これは経験の自己と

5:40

記憶の自己の間で起こる はっきりとした矛盾です 経験の自己の視点で見ると 患者Bのほうが大変だったのは明らかです 患者Aにどうすべきだったか 実際に行った臨床実験で 効果が確かめられているのですが 患者Aのチューブをそれほど動かさず 大腸内視鏡検査を長引かせます そうすることで患者は痛みを感じますが その痛みは ほんの少しで それまでに比べて 痛みは激減します これを数分やれば 患者Aの経験の自己には つらい思いをさせますが 記憶の自己には ずっとましな処置です なぜなら 患者Aに与えた 経験の物語は ましなものになっているからです 物語を形作るのは何でしょう これは記憶を通して 我々が思い出す話や 我々が作り上げる話にも共通したことです 話を明確にするものは 変化であり 決定的な瞬間であり 結末なのです 結末は非常に重要な役割を果たしていて この患者のケースでは検査の締めくくりが左右したのです さて 経験の自己の

6:55

人生には切れ目もなく どんな瞬間でも 次から次へと経験をしています “この瞬間”の行方を問うと 答えは非常に簡単で 永久に失われます 人生における時間の大半です 心理的現在は 約3秒だと 言われており その3秒は 人生で約6億回 月に約60万回もある計算になりますが ほとんどが形跡を残しません ほとんどが記憶の自己に 無視されてしまいます それでもどういうわけか 今この瞬間には価値があり そこで起きている事こそが 人生であると感じるのです 我々が生きる間に体験できる― 限られたものであり 人生をいかに過ごすかということが 価値を持つように感じますが これは記憶の自己が 残す話とは違うのです 記憶の自己と

7:53

経験の自己とは まったく別物なのです 一番の違いは 時間の扱い方です 経験の自己の視点で見てみましょう 休暇に出かけるとします 1週目も2週目も 同じくらい楽しければ 2週間の休暇の充足感は 1週間の休暇の2倍です 記憶の自己はこのようには働きません 2週間の休暇は 1週間の休暇と さほど変わらないのです なぜなら新しく加わる記憶はなく 話自体を変化させる事がないからです このように 時間は記憶の自己と 経験の自己を区別する― 重要なポイントです この休暇の例に 時間はあまり影響力はありません 記憶の自己は 話を記憶し 語ること以上の

8:45

働きがあります 実際に 決断をするのは記憶の自己です 例えば 大腸内視鏡検査を2回 二人の医師から受けた患者に どちらかの医師を選んでもらうとすると その患者は 記憶の中で ましだった方の 医師を選びます この選択をする際 経験の自己は関わっていません 通常 我々は経験から選ぶ事はせず 記憶から選び出します 未来のことを考える時でさえ 経験として考える事は 普通ありません 先を見越した記憶として 未来を見ています これは記憶の自己による 専制政治と考えてください 記憶の自己が決めて 経験の自己に対して 望んでいたわけでもない事も 経験させるのです 私が感じるのは

9:46

我々が休暇に出かけるのは ―大半のケースに言えますが― 休暇とは 記憶の自己のために 行くものだという気がします これを正当化するのは少し難しいのですが 我々は記憶をどれだけ思い返すでしょうか? これは 記憶の自己が 支配している― 説明の一つです この事を考える時 数年前の南極旅行を思い出します それは今までで最高と言える旅行で その他の旅行に比べて 思い出す回数も多いのです その3週間の旅行を 過去4年のうちに思い出したのは 25分程度でしょう もしも 600枚の写真を 見返したとしたら 1時間追加されるくらいです 3週間の旅行に対し せいぜい1時間半の記憶なので 何となく不釣り合いです 私は平均的な人ほど 記憶を思い返すことをしないのかもしれませんが もっと頻繁に記憶にアクセスしたとしても 真の疑問が残ります なぜ経験と比べて 記憶に重きを置くのでしょうか? ここで

11:04

ある思考実験をしてみましょう 皆さんの次の休暇で 休暇の最後になって 全ての写真が削除されるとします 皆さんは記憶喪失の薬を飲まされ 旅行の記憶はゼロになります それでも その休暇を選ぶでしょうか? (笑) もし別の休暇にするならば 二つの自己が対立しているので その対立をどのように解決するか考える必要がありますが 実際のところ わかりづらいんです 時間を優先すれば ある答えが出てくるでしょうし 記憶を優先すれば 別の答えが出てくるかもしれません なぜ その休暇を選んでいるかという― 二つの自己の間にある選択肢は 我々が直面する問題です 二つの自己は 二つの

11:57

幸福の観念をもたらします 二つの自己に対して適用できる― 幸福の観念がひとつずつあるのです そこで出てくる質問は “経験の自己はどれだけ幸せなのか?” そして “経験の自己の人生において どれだけ幸せを感じているのか?” 幸福に感じる瞬間とは 非常に複雑なプロセスです 測定できる感情とは何でしょうか? 経験の自己が感じる幸福と 時間の関係性は わかっていただけたと思います もし 記憶の自己の幸福を尋ねるとしたら それはまた別物です これは ある人がどれだけ幸せに暮らしているか ということではなく その人が自分の人生を考えたときに どれだけ満足しているか ということです かなり違う観念ですね この観念の違いがわからなければ 幸福の研究はうまくいきません 私は まさにこんな感じに 長い間 幸福の研究がうまくいかずにいる― 学者の1人です 経験の自己の幸福と

13:05

記憶の自己の満足感が 違うという事実は 近年 気づかれるようになってきました 現在では 二つを隔てて測る努力もされています ギャラップは 50万人を対象に 世界中で世論調査を行い 自分の人生と経験を どう思っているか アンケートを行いました そして それに沿った形で 他の調査も進んできました 近年では 二つの自己に絡んだ幸福に関して 解明し始めたところです 我々が学んだ主なことは 二つがまったく別物だということです ある人の人生の満足度を測る事はできても そこから その人が どれだけ人生を幸せに過ごしているかはわかりません 反対のことも言えます その相関性を示してみます 相関性は約0.5です 例えば 父の身長が180cmだと ある人が言ったとしても 彼自身の身長に関しては何もわかりませんね 多少の目安にはなりますが はっきりしたことはわかりません それくらい不確かだと思ってください ある人が 自分の人生は10点満点中8点だと言ったとしても どれだけ経験の自己が 幸せなのか 推しはかることはできません ですから相関関係は低いのです 幸福に対する満足度を支配する要素は

14:25

わかっています お金は大切ですし 目標も大切 幸福とは主に 好きな人と共に 満足することであり 好きな人と時間を過ごすことです 他にも考えられますが これが支配的です ですから 二つの自己の幸福度を強めたい場合は まったく異なる事柄を する事になるでしょう 要は 幸福は心身ともに健全でいることと 同じ事だと考えるべきではないのです 二つはまったく違った観念です ここで手短に説明しますが

15:04

幸福を考える時 これほど複雑化する もう1つの理由は 人生に関して考えるときと 実際に生きている日々とでは 我々は同じことに注目していないということです ですから カリフォルニアの人たちに幸せの度合いを尋ねても 正しい答えは得られません その質問を他の人にすると カリフォルニアのほうが幸せなはずだと思うのです 例えばオハイオの人なんかね (笑) ここで起きるのは カリフォルニアで暮らす事を考える時 カリフォルニアと別の場所を 対比させて考える ということです 例えば 気候の違いです 実は 気候というのは 経験の自己には重要ではなく 人がどれだけ幸せなのかを決める― 記憶の自己にも それほど重要ではありません しかし 記憶の自己がつかさどっているので 中には カリフォルニアへ 引っ越す人が出るのです 幸せになるだろうと期待してカリフォルニアへ 移り住む人たちに何が起こるのか 追跡するのは興味深いんです 経験の自己が 一層幸せになる事はありません 本当です でも確実に言えるのは 彼らがもっと幸せだと思うようになる事です なぜなら 彼らはオハイオの天気が どれだけ悪かったか思い出し 正しい決断をしたと感じるからです 心身ともに健全でいることを

16:37

事実どおりに考えるのは非常に難しいのです どれだけ難しいことなのか わかってもらえたでしょうか ありがとう

16:46

(拍手)

16:48

ありがとう 質問があります

16:51

どうもありがとう 数週間前に電話でお話しした時 世論調査で浮かび上がった非常に興味深い 結果を教えてくれましたね 時間があるので お話してくれませんか もちろんです

17:10

世論調査で明らかになった最も興味深いことは 予想もしていなかった数値が浮かび上がったことです 経験の自己から見る幸福に関し 分かったのは 我々の感情は 収入と密接に 関わっていることです ここで明らかになったのは アメリカ人にとって 年収6万ドル以下は 60万人から聞き出した調査なので 典型的なサンプルですが 年収60万ドル以下だと… 6万ドルですね?

17:43

そうそう 6万ドル

17:45

(笑) 年収6万ドル以下だと 惨めさを感じ 金額が下がるほど その度合いは増します 6万ドル以上の場合は変化はありません そこまで平らな線が出るのも珍しいのです 明らかに ここで言える事は 経験的な幸福をお金で買うことはできませんが お金がないのと 惨めな思いをするということです その惨めさをはっきりと 測ることもできます 記憶の自己からみると 違う内容になります お金を儲けるほど 満足感は増す これに感情は関与しません でもアメリカ人が頑張るのも

18:24

生活 自由 幸福の追求のためですよね? もし 皆がその調査結果を真剣に受け止めたら 私たちが信じる全てを 180度転換するような感じがします 例えば 税制に関してとか… 政治家が この調査結果を真剣に受け止めて この基盤に基づいて公共政策を動かす事は 今後あるでしょうか? 公共政策の中で

18:49

幸福の研究も 位置づけられていると思います アメリカでの認知度向上には 間違いなく 時間がかかるでしょう イギリスや他国では 認知度が高まっていて 公共政策を考える際 幸福を視野に入れる必要性が 考慮されています 時間はかかりますし 幸福の経験の研究や 生活の評価の研究に関して 議論がなされるでしょう その議論も近々必要ですね 幸福の高め方は その人の考え方によって異なりますし 記憶の自己や経験の自己のどちらを 考えるかによっても異なります これは今後 政策に影響するでしょう アメリカでは 全国民の経験的な幸福を 測る努力がされています 今後10~20年以内に これは国家統計の 一部になると思います この問題は 今後数年の間

19:44

一番興味深い政策論議に なりそうですね 行動経済学を生み出してくれて ありがとう どうもありがとう

 

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